動植物調査

自然環境調査、アセスメント調査を請負いたします。調査を実施する際、野生動植物や自然環境の保護・保全の視点を持つことは必要不可欠です。私たちはそういった視点を重視し、調査を行ってまいります。

 業務の実績

・キタサンショウウオの生態調査業務
キタサンショウウオは国内では釧路湿原域にしか生息しておらず、釧路市や標茶町において天然記念物に指定されている釧路湿原を代表する生物の一つです。現在生息地の減少などにより絶滅の危機に瀕していると言われています。調査では、繁殖地の環境調査に加え、非繁殖期にトラップによる捕獲調査を実施したり、PITタグを用いて個体識別を行うなど、本種の生態を調べています。

 

・ニホンザリガニの生息状況調査
ニホンザリガニは、道路建設や宅地化等の開発やウチダザリガニやアメリカミンク等の外来生物の侵入によって、生息地や生息数が減少し、絶滅の危機に瀕していると言われています。そのため、ニホンザリガニの保護・保全策を確立させることを目的として、釧路湿原域におけるニホンザリガニの分布状況や生息環境の調査、ウチダザリガニ等の外来生物侵入可能性についての調査などを実施しました。

 

・ウチダザリガニの捕獲業務
国指定天然記念物“春採湖ヒブナ生息地”において、近年、専門家の調査等によりウチダザリガニの生息が確認され、ウチダザリガニが湖内水草を捕食することによるヒブナ、その他の魚類や水鳥等の生息環境に対する影響が危惧されています。そのため、ウチダザリガニを春採湖から排除することを長期的な目標として、ウチダザリガニの捕獲と必要なデータの収集及び分析を行うことによって、春採湖及び周辺の多様な生態系を保全することを目的として調査を実施しました。

 

・セイヨウオオマルハナバチ生息状況調査業務
1996年に北海道で初めてセイヨウオオマルハナバチの野生巣が確認されてから、急速に分布を拡大する中、2007年8月には釧路市でも初めて生息が確認されました。今後、生息域が拡大することになれば在来のマルハナバチや植物など生態系に及ぼす影響が懸念されます。そのため、野外からの完全排除又は影響の低減化を長期的な目標に、生息域の拡大や侵入・定着を阻止するため、セイヨウオオマルハナバチの生息状況等を調査しました。

 

・アメリカミンクの侵入実態調査
アメリカミンクは、日本へは1928年頃に毛皮採取の目的で北海道に持ち込まれ、1960年代以降に、野生化が確認されました。釧路湿原域では、捕食による小型哺乳類やタンチョウのヒナ、ニホンザリガニ等への影響が懸念されています。しかし、その詳しい事態は明らかになっていません。そのため、釧路湿原域の河川沿いや湧水地において、足跡や食痕等の痕跡調査に加え、箱ワナを用いたアメリカミンクの捕獲調査や自動撮影装置を用いた調査を実施しました。

 

・オオハンゴンソウの侵入実態調査
オオハンゴンソウは、日本へは明治中期に観賞用として導入され、1955年に野生化が確認され、現在は全国に分布しています。近年では、釧路湿原域においても大群落が確認され、湿原生態系への影響が懸念されており、釧路湿原域における侵入実態の把握や効果的な防除方法の確立が急務となっています。そのため、釧路湿原域においてボートやカヌーを用いたオオハンゴンソウの侵入実態調査や防除手法の検討実験などを実施しました。

 

 その他の主な実績

  • 釧路湿原国立公園セイヨウオオマルハナバチ生息状況調査業務/環境省
  • 釧路湿原国立公園ウチダザリガニ防除事業/環境省
  • 釧路湿原国立公園におけるオオハンゴンソウ分布調査等業務/環境省
  • 釧路湿原湧水地におけるアメリカミンク等の冬期採餌活動調査業務/環境省
  • タンチョウの給餌に係る普及啓発事業/環境省
  • オンネトー湯の滝地区環境保全調査業務/環境省
  • 阿寒国立公園阿寒地域における外来生物侵入実態調査業務/環境省
  • 春採湖ウチダザリガニ捕獲業務/釧路市
  • 湿原流域の変容の監視手法の確立と生態系修復のための調和的管理手法の開発-採集業務/独立行政法人国立環境研究所
  • キタサンショウウオ生息環境復元工法検討業務/猛禽類医学研究所
  • 阿寒釧路間環境調査業務(キタサンショウウオ調査)/民間会社